フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

ベルリン・ドイツ交響楽団(Deutsches Symphonie-Orchester Berlin) インゴ・メッツマッハー指揮 2010年5月31日 ベルリンフィルハーモニー

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2010年5月31日 ベルリン・ドイツ交響楽団(Deutsches Symphonie-Orchester Berlin (DSO))

ベルリンフィルハーモニー

指揮インゴ・メッツマッハー

ヴァイオリン ダニエル・ホープ

ヴィオラ 今井信子

クロード・ヴィヴィエ* „Orion" (1979)

モーツァルト 協奏交響曲変ホ長調 KV 364 (1779)

8,5,6,8,チェロの後ろに3

  休憩

クロード・ヴィヴィエ „Zipangu" (1980)

モーツァルト 交響曲第41番ハ長調 KV 551 (1788)

12,6,8,12,後ろに一列並んで5、ティンパニは右側ヴィオラの後ろ

(*Claude Vivier,1948-1983, カナダの作曲家)

Aブロック右4列17番(ど真ん中!)

 良い席に座るとやっぱり違う。響く響く。舞台と反響板の間の空間から音が外へすーっと逃げて行き響いていくのを感じる。1階の響きはコンツェルトハウス・ベルリンよりフィルハーモニーの方が良いな。ただ今日の場合でも後ろの方の席でどう響いてるかはわからない。拍手は大きかったからそれなりに伝わっていたのかな。

 今日はなんといっても協奏交響曲!素晴らしい。曲自体も良いし今井信子が素晴らしかった。あんな素晴らしいなんて。出てきた瞬間はちっちゃい日本人のおばちゃんって感じだったけど。演奏中もなんか自分の世界。研ぎ澄まされた精神で没頭というのではなくなんとなくやや気楽な感じの彼女の世界。ヴァイオリンも悪いという程ではなかったけど並んで演奏すると違いがはっきりわかっちゃうな。響きが深い。味がある。最初から鳥肌が立った。その後も息をのむ瞬間の連続。胸がいっぱいになる感じ。あの席に座れて良かったぁ。本当に肌で感じた。1楽章が特に良かったと思った。

 ヴィヴィエの曲はなんとか普通に聴ける感じの曲だった。Zipanguの冒頭には日本の歌(あれなんだ、荒城の月?)が聴こえる。どっちかといったら最初の曲の方が良かったかな。途中で2ヴァイオリンの一番後ろのおじさんが立ち上がり後ろに移動して小さいドラの前でアーオーと叫ぶ(別々の箇所で計2回)。

 

 開演前に『ゲーテの音楽思想』って本買ってしまった。この前買ったベートーヴェンの手紙に対するゲーテの返事も載ってたから。ここいろいろ興味深い、面白そうな本いっぱい売ってるんだよな。今はほしくてもそんなに買えないけど。2年後にはもうちょっと買えるかな。

 41番は、、、やっぱり期待外れだった。いや、期待してしまっていたのが悪いか。だからモーツァルトは余ほどじゃないと聴きに来たくないんだ。そうでなければがっかりするためだけに行くようなものだ。難しい。他の作曲家よりVollkommenheit(完全性、完璧さ)が、純粋性が要求されてちょっとでも濁ると不満を感じてしまうという。今日の感じで、例えばベートーヴェンとか、特にマーラーとかだったらそれなりに良かったと思えるんだと思う。それでも今日は今井信子を聴けて良かった。

 今日夕方演奏会前にやっとRIAS室内合唱団の7月のチケット買った。希望のところが残ってて良かった。

 今月5月は、オペラ4回、バレエ0回、演劇0回、演奏会8回、合計12回

今月はラトル指揮ベルリン国立のL'étoileか同じくベルリン国立の『愛の妙薬』かな。『後宮からの誘拐』も良い体験ではあった。発見はその『愛の妙薬』でのNino Machaidzeニーノ・マカイズ(その後今月30日に2008年ザルツブルク音楽祭でのグノー『ロメオとジュリエット』のジュリエット役をビリャソンと歌っている録画放送のを見た)、『フィデリオ』でのカレン・レッティングハウス、今日の今井信子。

 今月はいろいろな人物。佐渡裕、アバド、ニーノ・マカイズ、カレン・レッティングハウス、今井信子、ギドン・クレーメル、オッターヴィオ・ダントーネ。なんか振り返ると演奏会に関しては今月は失敗とまでは言わないまでも全体的に良くなかったみたい。でもどれも自分にとっては重要なものだったと思う。

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