アンナ・プロハスカ 「オフィーリアは歌う」 ウィーン楽友協会 2015年4月23日
Anna Prohaska, Sopran
Eric Schneider, Klavier
Lorenza Borrani, Violine
Mischa Meyer, Violoncello
Bemerkungen:
Anstelle von Ilia Korol übernimmt Lorenza Borrani den Part der Violine.
Programm „Ophelia sings“
Robert Schumann (1810-1856)
Herzeleid, op. 107/1
Die Fensterscheibe, op. 107/2
Die Spinnerin, op. 107/4
Johannes Brahms (1833-1897)
Fünf Lieder der Ophelia, WoO 22
Wolfgang Rihm (*1952-)
Ophelia sings
Franz Schubert (1797-1828)
Schwesterngruß, D 762
Der Geistertanz, D 116
Der Tod und das Mädchen, D 531
Romanze aus „Rosamunde, Fürstin von Zypern”, D 797
-------- Pause ----------
Robert Schumann
Mädchen-Schwermut, op. 142/3
Melancholie, op. 74/6
Hector Berlioz (1803-1869)
La mort d’Ophélie
Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
Sieben Romanzen für Sopran, Violine, Violoncello und Klavier nach Worten von Alexander Alexandrowitsch Blok, op. 127
Zugabe: Zwei Lieder von Beethoven
座席 2階左34番
ベルリン滞在中にウンター・デン・リンデンでその才能に惚れ込んで好きになったソプラノ、アンナ・プロハスカ。今では日本でもその名は知られているだろう。オペラでばかり聴いていたので、演奏会で歌曲を歌うのを聴くのは今日が初めて。思えばベルリンでもStaatsoperのアポロザールでプロハスカの演奏会があったが、忙しかったかどういうわけかその時は行かなかった。ウィーンに来て、楽友協会のプログラムを眺めてプロハスカの名前を見つけた時は嬉しかった。というか、"Prohaska"と入れて検索したのだけれど。
ブラームスザール。休憩中
オフィーリアをテーマとした今日のプログラム、すべてが直接関連するわけではないが、ドイツ語、英語、フランス語、ロシア語と幅広い。こう見ると、シェイクスピア『ハムレット』の有名な登場人物だけあってやはりよく書かれている(美術史においてもよく描かれている)。良いプログラムだ。言語と時代に広がりがあって充実している。シューマンからリームまで、後半はシューマンからベルオーズまで通して歌われた。ブラームスの曲はドイツ語だが英語で歌われた。ショスタコーヴィチの時だけは楽譜を置いていた。言葉だが、英語だと、しっくりこない、くらいだが、フランス語、さらにロシア語となるとしっくりも何もてんでわからない。最後のショスタコーヴィチは会場全体がそんな感じ。それでも多様な音楽の世界に連れて行ってもらい楽しんだ。
プロハスカはみずからの声を完全にみずからのものとしていて、聴いていて気持ち良い。技術的に安定していて、安定しているからこそ表現も多彩。大きい表情付けから細かい表現まで実にうまい。ベルリンで聴いていた時はまだ20代、今でもまだ30代前半。若手の中でこれほど注目に値するソプラノ、いや音楽家は他になかなかいないのでは。その辺の名前だけが先行している指揮者、演奏家とはわけが違う。完全に実力が先行している。プロハスカは本当に本物。