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フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

シュターツカペレ・ドレスデン/ティーレマン/ギドン・クレーメル グバイドゥーリナ&ブルックナー ウィーン楽友協会 2015年5月20日

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Sächsische Staatskapelle Dresden

Christian Thielemann, Dirigent

Gidon Kremer, Violine

Sofia Gubaidulina

In tempus praesens. Konzert für Violine und Orchester Nr. 2

Anton Bruckner

Symphonie Nr. 9 d-Moll

Zugabe

“Requiem for Ukraine“ von Igor Loboda


8, 10, 12, 14, 16(コントラバスは最後列)

座席 2階右5. Loge 3列2番

 シュターツカペレ・ドレスデン、ドレスデン国立(ザクセン州立)歌劇場管弦楽団。聴くのは今日が初めて。いつだか歌劇場が来日して『タンホイザー』をやるという時、行けるはずだったのがわけあって行けなかった。ドレスデンにも行ったことはあるが、ベルリンから日帰りで行っただけなので、劇場を前の広場から眺めて終わりだった。また来るだろうと思っていたので中にも入らなかった。それからまだ行ってない。だが今回オケが自分のところに来てくれる。首席指揮者ティーレマンとウィーンに来て、今日と明日ブルックナーを演奏することを知り、3月の一般発売初日に買っておいた。

 ここ最近天気が良くなく、今日も雨が降っていたが、会場に向かう頃には止んでくれた。

 グバイドゥーリナのヴァイオリン協奏曲第2番 “In tempus praesens”。アンネ・ゾフィー・ムターに献呈され、献呈を受けた本人とベルリン・フィル/ラトルにより2007年のルツェルン音楽祭で初演された作品(第1番の “Offertorium”はクレーメルに献呈され、クレーメルが初演している)。初めて聴く。

 打楽器も多く入った現代曲でオケはさっそくその優秀さを感じさせる優れた演奏を聴かせる。各パートの音がくっきりしつつきれいに混ざり合う。クレーメルもとても良かった。前にベルリンでクレメラータ・バルティカの演奏会で聴いた時には、技術的にピークはとうに過ぎた感じだな、という印象だったが、音の少ないこの曲では聴き手を引き込んでいく。

20052015.jpg

(休憩中)

 ブルックナー第9番。なんという響きの美しさ。弦はまるでひとつの楽器であるかのように一体感のある美しい響き。管楽器もホルンパートを筆頭に美しい音を聴かせてくれる。ベルリン・フィルからでも聴かれえないオケのこの美しい響きに、第1楽章途中までは、この前のベルリン・フィル/ラトル以上!と思った。しかし所々で気になる点があって徐々に浸りきれなくなっていった。全体としてダイナミックレンジが狭く、大きい側に偏っており、響きそのものは美しいもののややめりはりに欠け、単調になりがちだった。また、各パートが上手く合わない個所が時折出てくる。これは第2楽章のスケルツォに顕著に表れ、私の前に座っていた詳しそうで真剣に聴いていた女性も第2楽章の途中で、うーんって感じね、という手振り。この楽章は本当に各パートの噛み合いが悪かった。これらはオケの問題ではなく、指揮者の問題だろうと思う。指揮者が悪いというより、つまり時間をすこしかければ直せるでしょということ。第3楽章ではまたじっくり美しい響きを聴かせてくれた。

 音が鳴りやんでも誰も拍手しない。体感ではそれは何十秒にも感じた。拍手、歓声の大きさはベルリン・フィル/ラトルのとき以上。ティーレマンがこちらを向いた時の歓声はものすごく、団員たちが下がって行ったあとも何度も呼び戻されていた。

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