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フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

ワーグナー『ラインの黄金』 ウィーン国立歌劇場 ラトル指揮 2015年5月30日

dasrheigold30052015.jpg

Wiener Staatsoper

Richard Wagner

Das Rheingold

Der Ring des Nibelungen

Vorabend des Bühnenfestspiels

Simon Rattle | Dirigent

Sven-Eric Bechtolf | Regie

Rolf Glittenberg | Bühne

Marianne Glittenberg | Kostüme

Friedrich Zorn | Video


Tomasz Konieczny | Wotan

Herbert Lippert | Loge

Michaela Schuster | Fricka

Janina Baechle | Erda

Richard Paul Fink | Alberich

Boaz Daniel | Donner

Jason Bridges | Froh

Herwig Pecoraro | Mime

Peter Rose | Fasolt

Mikhail Petrenko | Fafner

Olga Bezsmertna | Freia

Ileana Tonca | Woglinde

Ulrike Helzel | Wellgunde

Juliette Mars | Flosshilde

Premiere 2. Mai 2009

14. Aufführung in dieser Inszenierung (Livestream)

座席 1.Rang Loge links Loge 13 Reihe 2 Platz 5

Das_Rheingold_20090502_1_014.jpg

(http://www.wiener-staatsoper.at/Content.Node/home/spielplan/Spielplandetail.php?eventid=1355856)

 ウィーン国立歌劇場でラトル指揮による『ニーベルングの指環』(演出:ベヒトルフ)全4日上演が今シーズン2回あるうちの2周目、序夜『ラインの黄金』。初演は2009年(指揮:フランツ・ヴェルザー=メスト)で、2011年にはティーレマン指揮で全4日上演が行われた(CD、Amazon→ Wagner: Ring, Thielemann, Wiener Staatsoper、HMV→ 『ニーベルングの指環』全曲 ティーレマン&ウィーン国立歌劇場(2011)(14CD+2DVD))。『ラインの黄金』は今日でこの演出での14回目の上演とのこと。

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(Szenenbilder aus der Premiere 2009, Programmheft S. 36 und 37)

 今日の席は舞台もオーケストラも、ラトルの指揮も良く見える。オーケストラは、見せ場で勇み足がいくつかあったものの、総合的に見れば良かった。

 巨人たちが登場する場面でのチューバ。音のわれ具合が半端ではなかったのは、あの場面では意図的にあのように吹くようにしていたのだろうし、それはいいのだが、他のパートとずれっぱなしだったのが残念すぎた。また、ニーベルハイムに向かうところと(鉄床は舞台裏で、スピーカーを経由していた)、ミーメとアルベリヒの場面で盛り上がる部分での金管と弦のずれ具合がほぼ事故レベルなのもどうしたものか。ベルリン・フィル/ラトルの演奏会形式の演奏でも同じ個所が同じようにずれていたので、まったくなぜ同じところで同じようにずれるのか、首をひねりながら聴いていた。逆に言うと、明らかに気になったのはこの辺だけか。

 全体としてはとても優れていた。重厚さに欠けると言う人もいると思うが、ラトルの指揮のもと推進力のあるさすがの演奏。やはり、ワーグナーの音楽をしっかり演奏しきるだけの底力がある。

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(http://www.wiener-staatsoper.at/Content.Node/home/spielplan/Spielplandetail.php?eventid=1355856)

(舞台は全体的に簡素。舞台後方にはスクリーンがあり、水中の景色、アルベリヒが変身する大蛇、虹などが映し出される)

 歌手陣も充実していたと思う。ヴォータン役のコニエチュニー(昨年の東京春祭『ラインの黄金』でのアルベリヒ役で聴いた)は、上背があり、かつて演劇を学んでいたこともあってか舞台上での役者としての振る舞い、ひとつひとつの動きに迫力がある。歌唱も、ラトル率いるウィーン国立歌劇場管弦楽団に負けない力強さで響き渡っていた。アルベリヒも、コミカルに動き回るローゲも、それぞれがしっかり歌い、役をこなし、上演を作り上げていき、観応えがあった。

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(終演後。その場に実際に座った時の見え方はもう少し近く感じる)

 カーテンコールで歌手、オーケストラ、指揮者にものすごい拍手と歓声が送られた。『ラインの黄金』、濃密な2時間30分だった。

ラトル指揮/ウィーン国立歌劇場 2015年5月30日~6月7日

〈『ラインの黄金』|『ワルキューレ』|『ジークフリート』|『神々の黄昏』〉

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