フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

エルフリーデ・イェリネク "Die Schutzbefohlenen" ブルク劇場 2015年6月10日

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Elfriede Jelinek

Die Schutzbefohlenen

Regie: Michael Thalheimer

Bühnenbild: Olaf Altmann

Kostüme: Katrin Lea Tag

Chorleitung: Marcus Crome

Musik: Bert Wrede

Licht: Friedrich Rom

Dramaturgie: Klaus Missbach


Jasna Fritzi Bauer/ Alexandra Henkel/ Christiane von Poelnitz/ Stefanie Reinsperger/ Catrin Striebeck/ Adina Vetter/ Lucas Gregorowicz/ Tino Hillebrand/ Daniel Jesch/ Marcus Kiepe/ André Meyer/ Tilo Nest/ Thomas Reisinger/ Daniel Sträßer/ Stefan Wieland

Sängerinnen: Marelize Gerber/ Ghazal Kazemi/ Anna Manske/ Monika Schwaegger

1 Stunde 30 Minuten. Keine Pause

Österreichische Erstaufführung am 28. März im Burgtheater

座席 1.Rang-Loge links Loge 9 Reihe 1 Platz 2

 ウィーンに来てからまだ演劇を観に行っていなかったので、シーズンも終わってしまうしさすがにそろそろ行こうかと思い、『指環』も観終わったことだし、6月を一人演劇月間にすることにした。

 オーストリア出身の作家エルフリーデ・イェリネク(2004年ノーベル文学賞)の "Die Schutzbefohlenen"。難民をテーマにした作品。題名は日本語にすると「被後見人たち」、「被後見難民たち」といったところか。世界初演は2014年9月12日ハンブルク・タリア劇場(演出:ニコラス・シュテーマン)。オーストリア初演は今年2015年3月28日ブルク劇場(演出:ミヒャエル・タールハイマー)。それが今シーズンの最終月の今月まで上演されているので観ることができた。

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(劇場正面。20時前。私の背後にウィーン市庁舎。左に進むとウィーン大学本館。右に進むと国会議事堂)

 ブルク劇場はハプスブルク家マリア・テレジア治世下の1741年に完成し、1776年に息子のフランツ・ヨーゼフ2世が「ドイツの国民劇場」("Teutsches Nationaltheater")として宮廷の管轄下に入れた。劇場は1888年に現在の位置に移された。その時の設計はゴットフリート・ゼンパー(Gottfried Semper)が弟子のカール・ハーゼナウアー(Karl Hasenauer)と共に行った。ドレスデンにあるゼンパー・オーパーを設計したゼンパーである。(参照→ "Das Burgtheater" (Webseite vom Burgtheater))

 移設前のブルク劇場では、モーツァルト『後宮からの連れ出し』、『フィガロの結婚』、『コジ・ファン・トゥッテ』の初演、『ドン・ジョヴァンニ』のウィーン初演、ベートーヴェン『プロメテウスの創造物』などが初演されている(参照→「RE-SOUND Beethoven 『プロメテウスの創造物』&交響曲第2番 ホーフブルク宮殿 2015年4月3日」)。

 主に演劇方面からみたブルク劇場について詳しくは「ウィーン・ブルク劇場」(新国立劇場情報センター「世界の劇場」)を参照されたい。

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© Reinhard Werner

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© Reinhard Werner

 役者たちは舞台上に出そろっているが、それぞれが、または一斉にセリフを朗誦。1階座席の最後方に指揮者がいて、セリフの出だしの合図を送る。途中で歌手が出てきてヘンデルの「私を泣かせてください」(『リナルド』)を歌う場面がある。

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(終演後)

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