ローラント・シンメルプフェニヒ『動物の王国』 アカデミー劇場 2015年6月17日
Roland Schimmelpfennig
Das Reich der Tiere
Regie: Roland Schimmelpfennig
Bühne: Wilfried Minks
Kostüme: Lane Schäfer
Musik: Hannes Gwisdek
Licht: Felix Dreyer
Dramaturgie: Amely Joana Haag
Peter, Schauspieler/Löwe/Spiegelei | Johann Adam Oest
Dirk, Schauspieler/Marabu/Ketchupflasche | Peter Knaack
Isabel, Schauspielerin/Ginsterkatze/Pfeffermühle | Caroline Peters
Sandra, Schauspielerin/Antilope/Toastbrot | Sabine Haupt
Frankie, Schauspieler/Zebra | Oliver Stokowski
Chris, Regisseur und Autor | Philipp Hauß
Österreichische Erstaufführung am 28. Februar 2015 im Akademietheater
(Uraufführung: 2007, Berlin)
Spieldauer: 2 Stunden. Keine Pause
座席 2階右立ち見4番
1967年生まれのドイツ出身の作家シンメルプフェニヒの劇は新国立劇場でもこれまで2009年に『昔の女』、2013年に『つく、きえる』が上演された。私は『つく、きえる』の方は観ることができた(記事参照→「ローラント・シンメルプフェニヒ『つく、きえる』 2013年6月6日 新国立劇場 小劇場」)。これは東日本大震災がテーマとなっていて、作家は制作過程で日本にも訪れた。この作品は新国立劇場における上演が世界初演だった。
『動物の王国』は2007年ベルリンで初演された。今日のこのプロダクションはドイツ語圏で2番目の演出とのこと。
© Georg Soulek
不安を抱える5人の役者。彼/女らは『動物の王国で』("Im Reich der Tiere”)という劇に何年も前から出演している。レイヨウ、シマウマ、ライオン、ハゲコウ、ジャネット。全身に色を塗ったりしているのでほとんど本人とはわからない。役者たちは、陰謀でもってシマウマに王冠を作って自分が動物の中の王となったライオンの話を来る日も来る日も演じている。そこにある新しい劇が取り上げられるとの話が出た。それは『物の庭』("Der Garten der Dinge")というタイトルで、若い作家である演出家は役者たちに様々な台所用具の役を割り当てた。胡椒ひき器あるいはトーストの役を演じることができる者はまだありがたいと感じるだろう、自由な狩場、すなわち失業、へと放たれずにすむのだから。(参照→"Das Reich der Tiere" (Burgtheater))
劇は役者たちが劇場に来て、上演に向けて準備を始めるところから始まる。服を脱ぎ、自分で体に塗料を塗っていく。このあたりをはじめとして全体にセリフは少な目。
© Georg Soulek
この劇中劇が始まる前にいったん幕が閉じている間に、劇場でお決まりの、上演中の撮影は禁止されています、と、携帯電話の電源をお切りくださいとのアナウンスがドイツ語、日本語、スペイン語、韓国語で流される。
「美しき青きドナウ」の音楽に乗せて、ただの茶番である『物の庭』が上演され幕となる。
(開演前)
すごいと思ったのはカロリーネ・ペータース(写真1枚目一番左)。『ベルンハルディ教授』にも出ていたし、『ヨーン・ガブリエル・ボルクマン』にもエルラ役として出演していた。それぞれ何公演もあるのだから連日これらの役のうちどれかを演じている。本当に役者だ。