フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

アルテミス四重奏団/レオンスカヤ ヴィオラ奏者フリーデマン・ヴァイグレ追悼 ウィーン・コンツェルトハウス 2015年10月9日

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© Artemis Quartett

Artemis Quartett
Vineta Sareika, Violine
Gregor Sigl, Viola
Eckart Runge, Violoncello
Elisabeth Leonskaja, Klavier

Johann Sebastian Bach/ Astor Piazzolla
Partita für Trio «In Memoriam Friedemann Weigle»
Robert Schumann
Klavierquartett Es-Dur op. 47 (1842)
***
Johannes Brahms
Klavierquartett Nr. 3 c-moll op. 60 (1855-1874)


Zugabe: Robert Schumann, Klavierquartett Es-Dur op. 47 (3. Satz: Andante cantabile) (1842)
ウィーン・コンツェルトハウス モーツァルトホール
座席 Balkon(2階正面)4列6番

 今日の演奏会は、Abo "Artemis & Belcea"の5公演の1つ目。ホールはコンツェルトハウスのモーツァルトホール。マティアス・ゲルネ/ヘルムヒェンの『詩人の恋』の時以来2度目。約700席のちょうどよいホール。プログラムはベートーヴェン弦楽四重奏曲第5番18-5、第7番59-1、ヤナーチェク弦楽四重奏曲第1番だったが、数日前にコンツェルトハウスのサイトを確認したところ注意書きがあり、出演者、プログラムが大幅に変わっていて驚いた。
 2007年からアルテミス四重奏団のヴィオラを務めていたフリーデマン・ヴァイグレが2015年7月6日、53歳で亡くなった。彼の死を受け、アルテミス四重奏団のメンバーは今シーズン最初の2つの演奏会(今日と明日)を長年共演してきたレオンスカヤと共に行うことを決め、プログラムも上記のものに変更。ヴィオラは第2ヴァイオリンのグレゴール・ジーグルが務める。
 冒頭コンツェルトハウスの支配人が出てきて挨拶。レオンスカヤ、以前協奏曲で聴いた時はぜんぜん乗ってなかったけど、今日は良い演奏を聴かせてくれた。やはり室内楽でこそ聴ける本領か。まるでメンバーのよう。アルテミスのメンバー、バッハ/ピアソラ編曲の1曲目は特に一音一音大事に弾き踏みしめるように進んでいるようだった。その後はヴァイグレ氏がとりわけ愛したというロマン派の作曲家から、ベートーヴェンの弦楽四重奏12番127を思わせるシューマンのピアノ四重奏曲変ホ長調、高い完成度、充実度のブラームスピアノ四重奏曲第3番ハ短調。最後は盛大な拍手に応えてアンコールを一曲。贅沢な時間を過ごした。

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