フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

ウィーン交響楽団/ジャニーヌ・ヤンセン/アンドレイ・ボレイコ指揮 ウィーン・コンツェルトハウス 2015年10月10日

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Wiener Symphoniker
Janine Jansen, Violine
Andrey Boreyko, Dirigent

Robert Schumann
Ouverture zu «Manfred» op. 115 (1848-1849)
Felix Mendelssohn Bartholdy
Symphonie Nr. 4 A-Dur op. 90 «Italienische» (1833)
***
Johannes Brahms
Konzert für Violine und Orchester D-Dur op. 77 (1877-1878)


座席 Galerie(3階)14列2番

 目的はそう、ジャニーヌ・ヤンセンを聴きに来た。初めて聴く。別にどうしても聴いてみたいとかではないが、せっかく聴く機会があるのでチケットを買っておいた。昨日のアルテミス四重奏団/レオンスカヤの演奏会に続いて連日のウィーン・コンツェルトハウス。昨日はモーツァルトホールだが今日は隣の大ホール。昨日も今日も小雨が降り気温も低く冬の到来を感じる。
 指揮者はDavid Zinmanのはずだったが体調不良のためキャンセル、代役アンドレイ・ボレイコ。プログラムの変更はない。ジンマンの指揮にもまだ接したことがないので聴いてみたかったが仕方ない。ジャニーヌ・ヤンセン体調不良のためキャンセル、にでもならなければとりあえずよい(そう言えば昨年、行ってないがコンツェルトハウスでの演奏会で、エリーナ・ガランチャ体調不良のためキャンセル、代役ヴェッセリーナ・カサロヴァという、え?!、と一瞬止まるような凄いキャスト変更があった)。アンドレイ・ボレイコの指揮も初めて。
 結論から言うと指揮者のせい(と言っていいだろう)でぐだぐだだった。『マンフレッド』序曲も交響曲「イタリア」も、肝心のブラームスのVn協奏曲も全然。ぐちゃぐちゃで集中して聴いてられない水準。一番ひどいのは1曲目の序曲(まあこれは曲自体もつまらないと思うが)。それは別によしとしよう、『マンフレッド』序曲などを聴くためにわざわざ来たわけではない。ウォーミングアップ代わりにでもなんにでもしてくれ。「イタリア」はもう少しましだった。今日は他はどうでもVn協奏曲さえしっかりしてくれればまだ良かったのだが、ヤンセンのヴァイオリンとなんでそうことごとく合わないわけ?肝心なとこ、要所要所でしっかりはずてくる指揮者の力量。ヤンセンも弾きにくそうだったか。それでも大して崩壊はせず自分のスタイルも維持しつつそこそこに弾いていくのはヤンセンがさすがか。というのが休憩中にたまたま会った音楽家2人と帰り際にほんの少し話した評のまとめ。
 ウィーン交響楽団は下手とは思わないが、力量のない指揮者のときにオケで持ち直せずそのままぐだぐだになってしまうのは今回改めて感じた(ティツィアーティの指揮でブルックナーの第4番をやったときもひどかった)。今日の問題はとにかく指揮者。でも代役だし、引き受けたのがどのくらい直前だったかなど知らないので、ただ残念でしたってことにしておく。ただ、予定通りジンマンだったら...?との思いは少し残る。まあヤンセン聴けたし。そうそう、アンコールを1曲弾いてくれた。バッハ無伴奏パルティータ第2番サラバンド。

 この4日間で優れた演奏家・団体を聴く。おとといはゲヴァントハウス・オーケストラ/シャイーにクラリネット独奏マルティン・フレスト、昨日はアルテミス四重奏団/レオンスカヤ、今日はジャニーヌ・ヤンセン、そして明日はアーノンクール/コンツェントゥス・ムジクスのベートーヴェン交響曲第7番、8番...のはずがアーノンクール体調不良のため(最近これ多いな)キャンセル、ではなくて延期。なんと4月になった。月末にウィーン・フィル/ブロムシュテットがまったく同じ第7番、8番をやるからこれで良かったかも(アーノンクール/コンツェントゥス・ムジクスの後ではきっとがっかりするだろうから)。代わりに気になっていたアルブレヒト・マイアー独奏/トーンキュンストラー管弦楽団/佐渡裕(ウィーン楽友協会)に行くことにした。この4日間、特にソリストがその楽器で世界トップを行くような人の公演が続く。

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