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フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

ECHO Klassik 2015 授賞式の中継を観て

 18日にウィーン国立歌劇場でトーマス・アデスの『テンペスト』を観て帰宅してTVをつけたらZDFでECHO Klassik 2015授賞式の中継をやっていた。すでに何十分か経過していた頃で、つけた時はLang Langがピアノ弾いていた。ビリャソンがドイツ語で司会をしている。2012年から連続して担当しているようだ。見たことある気がするなと思っていたらやはり会場のホールはベルリン・コンツェルトハウス。ビリャソンのテンションが高くてうける。太い黒縁の眼鏡をかけ、もはやコメディアンでも通用しそうな雰囲気。

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© Deutsche Grammophon Nina Eichinger und Rolando Villazón


 今までのECHO Klassikを辿ってきているわけではないし詳しく知っているわけでもないが、たまたま見つけた中継を楽しく観た。パソコンでECHO Klassik 2015のサイトに受賞者一覧を確認しながら。実際に演奏に接した音楽家がけっこう多いし(多くなってきた)、まだ聴いたことがなくても知っている有名な音楽家たちがひとつの場所に集まり楽しんでいる様子は見ていてこちらも楽しい。

 ここでは中継を観ながら/受賞者リストを眺めながら気になった音楽家に触れたい。

 まず、数日前のモンテヴェルディ『ポッペアの戴冠』(アン・デア・ウィーン劇場/クラウス・グート演出)の記事で紹介したばかりの29歳のカウンターテナー、ヴァラー・サバドゥス(Valer Sabadus, 1986-)。賞はSolistische Einspielung des Jahres (Gesang/ Opernarien)("今年のソロ・レコーディング(歌/オペラアリア)")。ドイツとの国境近くルーアニアのアラドに生まれ、5歳のときにドイツに移住。ヴァイオリンとピアノを習い、17歳のときにミュンヘン音楽・演劇大学で声楽(カウンターテノール)を学び始める。2009年、23歳でザルツブルク復活祭音楽祭に出演(ニコロ・ヨメッリ『デモフォンテ』、指揮ムーティ)、その名を知られるようになる。以降、各地の歌劇場で出演。
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© Henning Ross

Le belle immagini

Le belle immagini

サヴァドゥスについてはモンテヴェルディ『ポッペアの戴冠』 クラウス・グート演出 アン・デア・ウィーン劇場 2015年10月16日も参照されたい。


 エリーナ・ガランチャ(Elīna Garanča)。賞はSolistische Einspielung des Jahres (Gesang | Arien/ Rezitale)("今年のソロ・レコーディング(歌|アリア/リサイタル)")。

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© Paul Schirnhofer/DG

 去年の今頃行ったウィーン・コンツェルトハウスでの演奏会で聴いた歌唱はまさに圧倒的だった。(→エリーナ・ガランチャ チチョン指揮 ウィーン室内管弦楽団 2014年10月15日 ウィーン・コンツェルトハウス - フィルハルモニ記)。その演奏会の会場でCDを買いサインをもらったそのCDが今回の受賞CD。
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Various: Meditation

Various: Meditation



 まさに今回会場となっているベルリン・コンツェルトハウスで数年前に聴いたジョヴァンニ・アントニーニ/イル・ジャルディーノ・アルモニコはSinfonische Einspielung des Jahres (Musik bis inkl. 18. Jh.)("今年の管弦楽曲レコーディング(18世紀まで)")を受賞。アントニーニはこのほか、バーゼル室内管弦楽団/エマニュエル・パユとKonzerteinspielung des Jahres (Musik 19. Jh.)("今年の協奏曲レコーディング(19世紀)")を受賞。
Haydn/Gluck: La Passione

Haydn/Gluck: La Passione

ドヴィエンヌ、ジアネッラ、グルック、プレイエル ~フランス革命時代のフルート協奏曲集

ドヴィエンヌ、ジアネッラ、グルック、プレイエル ~フランス革命時代のフルート協奏曲集

  • アーティスト: パユ(エマニュエル),プレイエル,ドヴィエンヌ,ジアネッラ,グルック,アントニーニ(ジョヴァンニ),バーゼル室内管弦楽団,アルター(マティアス),カプラーノ(フランチェスコ),シュナイダー(モニカ),ティモカイン(コンスタンティン)
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今シーズンウィーンでは楽友協会のブラームスホールで、ジョヴァンニ・アントニーニ/イル・ジャルディーノ・アルモニコのハイドンシリーズの演奏会を2つ聴ける。


 ビリャソンが自身でプレゼンターを務め絶賛して紹介したのはソーニャ・ヨンチェヴァ(Sonya Yoncheva)。賞はNachwuchskünstlerin des Jahres (Gesang)("今年の若手音楽家(歌)")。
Sonya Yoncheva - Paris, mon amour

Sonya Yoncheva - Paris, mon amour

  • アーティスト: Jules Massenet,Giacomo Puccini,Charles Gounod,Jacques Offenbach,Giuseppe Verdi,Andre Messager,Charles Lecocq,Frederic Chaslin,Orquestra de la Comunitat Valenciana,Sonya Yoncheva
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 今月ウィーン・コンツェルトハウスで聴いたアルテミス四重奏団はKammermusikeinspielung des Jahres (Musik 19. Jh. | Streicher)("今年の室内楽レコーディング(19世紀|弦楽)")受賞。メンバーのヴィオラ奏者フリーデマン・ヴァイグレがなくなったばかり(→アルテミス四重奏団/レオンスカヤ ヴィオラ奏者フリーデマン・ヴァイグレ追悼 ウィーン・コンツェルトハウス 2015年10月9日 - フィルハルモニ記)。現代を代表する四重奏団として紹介され登場した3人は、賞をヴァイグレに捧げた。
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲集

メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲集

  • アーティスト: アルテミス・カルテット,メンデルスゾーン,サレイカ(ヴィネタ),ジーグル(グレゴール),ヴァイグル(フリーデマン),ルンゲ(エッカート)
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 今月楽友協会で素晴らしい演奏を聴かせてくれたゲヴァントハウス・オーケストラ/リッカルド・シャイーはSinfonische Einspielung des Jahres (Musik 19. Jh.)("今年の管弦楽曲レコーディング(19世紀)")を受賞。
Brahms: Serenades

Brahms: Serenades



 ずっと前から聴きたいと思っていながらいまだ聴くことが叶っていないカウンターテノール、フィリップ・ジャルスキー(Philippe Jaroussky)はWelt-Ersteinspielung des Jahres("今年の世界初レコーディング")を受賞。
Steffani: Niobe, Regina di Tebe

Steffani: Niobe, Regina di Tebe

  • アーティスト: Agostino Steffani,Paul O'Dette,Stephen Stubbs,Boston Early Music Festival Orchestra,Philippe Jaroussky,Karina Gauvin,Amanda Forsythe,Christian Immler,Terry Wey,Colin Balzer
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 その他有名なところでは、クリスティアン・テツラフ/パーヴォ・ヤルヴィ("今年の管弦楽曲レコーディング(20/21世紀)")、この間キャンセルで聴けなかったデイヴィッド・ジンマン("今年の指揮者")、イザベル・ファウスト/パブロ・エラス=カサド("今年の協奏曲レコーディング(19世紀)")、売れっ子のデイヴィット・ギャレット("今年のベストセラー")、面白いオルガニストのキャメロン・カーペンター("今年の器楽奏者(オルガン)")、アンドレアス・オッテンザーマー("今年の器楽奏者(クラリネット)")。あとヨナス・カウフマン("今年の男声歌手")。"今年の女声歌手"はジョイス・ディドナート。
 その他の受賞者、詳細を知りたい方はECHO Klassik | Preisträgerを。

授賞式の中継映像、10月24日まで視聴可能↓
www.zdf.de

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