ベルリン・フィル/ラトル ベートーヴェン交響曲ツィクルス 第4番&第7番 ウィーン楽友協会 2015年11月13日
Berliner Philharmoniker
Simon Rattle, Dirigent
Ludwig van Beethoven
Symphonie Nr. 4 B-Dur, op. 60
-------- Pause ----------
Ludwig van Beethoven
Symphonie Nr. 7 A-Dur, op. 92
Cb5
座席 立ち見
ベルリン・フィル/ラトルによるベートーヴェン交響曲ツィクルスの今日は4日目、第4番&第7番。
ベルリン・フィルは10月にまずベルリン・フィルハーモニーで2回ツィクルス公演をして、その後フランクフルトで第9番のみ演奏し、先週はパリでツィクルス公演を行った。そして今週はウィーンである。ウィーンの後はニューヨークのカーネギーホールでツィクルスを行う。2016年5月には台北で第1番&第9番と第2番&第9番の2公演を行った後、東京・サントリーホールでツィクルスを行う(2016年5月11日~15日)。言い方を変えると(来シーズン以降は知らないが)、ベルリン・フィル/ラトルのベートーヴェン交響曲ツィクルスを聴けるのは本拠地ベルリン、パリ、ウィーン、ニューヨーク、東京の聴衆だけだ。
このツィクルス公演を迎える前に、ラトルの指揮に限らずベルリン・フィルでベートーヴェンの交響曲を聴いたことがないと思いこれまで行ったベルリン・フィルの演奏会を鑑賞履歴表で振り返ってみるとやはりベートーヴェンの交響曲はない。ベルリン・フィルとラトルによるベートーヴェン交響曲全曲をここにきて聴くことができるとは何とも良い巡り合わせ。
今日もアルブレヒト・マイアーが登場。フルートは今日はブラウ。クラリネットはフックス。コンマスはここ3日間日替わりで、樫本大進、スタブラヴァ、ノア・ベンディックス=バルグリーときて、今日再び樫本大進。ティンパニはヴェルツェル。
第4番。爽快な勢いの中に多彩なニュアンスが込められつつ気持ちよく進んで良く。ただ、例えば第1楽章の序奏などはどうもあまり迫ってくるものを感じず。タイプが違いすぎるし、わざわざ比べなくてもいいかもしれないが、5月に同じくここ楽友協会で聴いたアーノンクール/コンツェントゥス・ムジクスによる第4番の方が充実感は上だった。
第7番、コントラバスの横にコントラファゴットが2人並ぶ。冒頭トランペットがややしくじり、まあまあ冒頭ではよくあることと思っていたら2発目もしくじる(笑)。それはいいとして、フルートのブラウ、前半の第4番でもそうだったがどうも調子が良くなかったのかなんなのか不満の残る演奏だった。どうもしっくりはまってこない(ベルリン・フィルハーモニーではどうだったか気になってDCHを覗いたら4&7の日もパユだった)。全体としては前半の第4番同様細部に至るまで聴かせ方が面白く、コーダに入ったところの一瞬時が止まったかのようなテンポの落とし方なども冴えていた。第2楽章は少し薄味な印象。途中の消えてしまいそうなぎりぎりのピアニッシモにはおもわず息をのむ。特に良かったのは第3楽章と第4楽章。演奏の出来としては最高と言っていいと思う。ヴェルツェルのティンパニも冴えわたる。
充実のベートーヴェンだったが、どうしても感動という言葉は出てこない。どうも冷静なまま、充実してましたと。あと残るは第9番のみ。
【参考CD】 2002年録音(楽友協会)のウィーン・フィル/ラトルのベートーヴェン交響曲全集。
- アーティスト: L.V. Beethoven,Simon Rattle,Wiener Philharmoniker
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2012/10/01
- メディア: CD
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初日、第1番&第3番「英雄」
2日目、第2番&第5番「運命」
3日目、第8番&第6番「田園」