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フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

フライブルク・バロックオーケストラ/ゲルハーヘル/ロレンツォ・コッポラ モーツァルト 楽友協会 2016年2月17日

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Freiburger Barockorchester
Christian Gerhaher, Bariton
Lorenzo Coppola, Clarinet d’Amour

Wolfgang Amadeus Mozart
Symphonie C-Dur, KV 425, „Linzer” - 1. Satz (Adagio. Allegro spiritoso)
"Metà di voi qua vadano", Arie aus der Oper „Don Giovanni“, KV 527
Symphonie C-Dur, KV 425, „Linzer” - 2. Satz (Andante)
"Non siate ritrosi", Arie des Guglielmo aus der Oper „Cosi fan tutte“, KV 588
"Ah pietá Signiori miei", Arie des Leporello aus der Oper „Don Giovanni“, KV 527
Symphonie C-Dur, KV 425, „Linzer” - 3. Satz (Menuetto)
„Tutto è disposto“ - „Aprite un po’ quegli occhi“, Rezitativ und Arie aus der Oper „Die Hochzeit des Figaro“, KV 492
Symphonie C-Dur, KV 425, „Linzer” - 4. Satz (Presto)
-------- Pause ----------
Konzert für Klarinette und Orchester A-Dur, KV 622
"Madamina! Il catalogo è questo", Arie des Leporello aus der Oper „Don Giovanni“, KV 527
"Non più andrai", Arie aus der Oper „Die Hochzeit des Figaro“, KV 492
Kontretanz G-Dur, KV 610, „Les filles malicieuses”
„Hai, già vinta la causa“ und „Vedrò mentre io sospiro“, Rezitativ und Arie des Grafen aus der Oper „Die Hochzeit des Figaro“, KV 492

6,5,4,3,2 / Cl.Konz.4,4,3,2,2 (?)

座席 Balkon-Loge rechts 8 2列5番

 フライブルク・バロックオーケストラ、クリスティアン・ゲルハーヘル、ロレンツォ・コッポラ(クラリネット)による今日の演奏会はすべてモーツァルトの曲。「リンツ」交響曲、クラリネット協奏曲、『ドン・ジョヴァンニ』、『コジ・ファン・トゥッテ』、『フィガロの結婚』からのアリア。オケは指揮者は置かずにコンマスのゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(Gottfried von der Goltz)が仕切る。

 このオケはちょうど1年前にアン・デア・ウィーン劇場でパイジエッロの『セビリアの理髪師』を観た時以来。その時はルネ・ヤーコプスが指揮だった。ゲルハーヘルは何度か聴いている。ロレンツォ・コッポラは初めて。

 「リンツ」は2014年10月にアーノンクール/コンツェントゥス・ムジクスの演奏で聴いて以来。街の方のリンツには昨年9月に行ってきた(→リンツ日帰り【前半:リンツ観光】)。クラリネット協奏曲はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管/シャイーとマルティン・フレストの演奏で聴いて以来なので4か月ほどでこの曲を再び聴く機会がきたことになる。

 前半は交響曲第36番「リンツ」とアリアを交互に演奏。はつらつとした演奏で聴いていて楽しい。ノンヴィブラートの鋭く切り裂くような音、ティンパニの荒々しい音など、編成こそ小さいものの音楽的にこじんまりまとまらない生き生きとした演奏。ただオーボエがちょっと下手。「リンツ」では第1楽章から活躍するがちょっとつんのめりがちになったり動きが不安定。ゲルハーヘルはさすがの安定感。これが歌唱というもの、と思わせる。『コジ・ファン・トゥッテ』のグリエルモのアリアから『ドン・ジョヴァンニ』のレポレッロのアリアへは切れ目無しで続けて演奏された。

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休憩中

 後半はクラリネット協奏曲から始まる。独奏はイタリア出身のクラリネット奏者ロレンツォ・コッポラ。演奏前に(ドイツ語で)話し始めた。(以下記憶をたどって訳)

「聴こえますか?聴こえますか?この楽器について少しお話ししたいと思います。今日このホールで演奏していますけど、この楽器は音が小さいんです。これはモーツァルトの時代のクラリネットで、バセットクラリネットです。フランス語の名前もあって、クラリネット・ダモールと言います。モーツァルトはクラリネット奏者アントン・シュタートラーにたくさんの曲を書きました。現代のクラリネットより長く、4オクターブの音域。低い音が出ます。例えばパパゲーノのアリアにこういうのがあります。(演奏してみせる。低い音。聴衆笑う)。高い音も出ます例えばパパゲーナで(演奏してみせる)。それでこうなります。(演奏。高い音と低い音)。二人の歌手がひとつの楽器に共存しているかのようです。モーツァルトはクラリネット協奏曲を書くまでの数年間に様々なオペラを書きました。そこに関連はあるでしょうか。もちろんですとも、もちろんありますとも。だからこそ今日のようなプログラムになったとも言えます。それとあとひとつ、この下のところに穴があいています。これを足にあてて押さえると音が変わります。(演奏してみせる。笑い)。大丈夫です、これは普通のことですから笑(拍手)」

 そして演奏へ。クラリネットもコンマスとタイミングを合わせて冒頭からいきなり一緒に吹く。何と自由な生き生きした演奏だろうか。イン・テンポという概念など存在しないかの如くテンポが変わる。時にはオケと一緒に止まりそうになりながら。濃厚な表情付けに、装飾にとどまらない即興的編曲。歌っている。まるでオペラの音楽を聴いているかのような感覚。オペラの話を持ち出しただけのことはある。普段聴き慣れたモーツァルトのクラリネット協奏曲ではない。この曲でここまで自由に演奏してくるとは。意欲的な演奏に第1楽章が終わった所でも拍手が湧く。

 クラリネット協奏曲が終わると再びゲルハーヘルが登場。アリアを歌う。アンコールには前半に歌った『コジ・ファン・トゥッテ』からのアリアをもう一度。

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*今日座った座席の位置だとすでにやや遠い。一回響ききった音響の層の一歩外側にいる感じ(最上部に位置するGalerieはもちろんのこと、2階正面(=Balkon Mitte)も(視界が良い分高いわりに)遠いということ)。


**なるほど、このCDか。ゲルハーヘルとフライブルク・バロックオーケストラ/ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ。

Mozart: Arias

Mozart: Arias

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