フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

ウィーン・フィル/ゲルギエフ 楽友協会 2016年2月22日

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Wiener Philharmoniker
Valery Gergiev
, Dirigent

Richard Wagner
Ouvertüre zu „Der fliegende Holländer“
Claude Debussy
La Mer. Drei symphonische Skizzen für Orchester
-------- Pause ----------
Modest Petrowitsch Mussorgskij
Bilder einer Ausstellung für Orchester bearbeitet von Maurice Ravel


座席 立ち見

 昨日とまったく同じ組み合わせ、場所。今日のプログラムはワーグナー『さまよえるオランダ人』序曲、ドビュッシー『海』、ムソルグスキー/ラヴェル『展覧会の絵』。素晴らしかった。凄い、これぞ!という演奏をしてくれた。昨日も『神々の黄昏』(抜粋)など楽しみにしていたのだがどうも統率感のない退屈な演奏にがっかりだったが、今日は最初から最後まで本当に素晴らしかった。序曲冒頭の弦から目が覚めるよう響き、『海』の多彩なニュアンス。ゲルギエフ、『展覧会の絵』はやはり得意ということか、自信に満ち溢れているようにみえる。ウィーン・フィルの管も弦も艶があり品のある音がたまらない。とてつもない底力もある。それがゲルギエフの指揮で引き出される。美しいホールに響く豪快な音響。うるさくはならない。なんと輝かしく、力強い音だったか。立ち見の場所にも伝わってくる。終曲の響きは天上から降りてきたような荘厳な響きで、聴いているこちらが身震いするような、涙が出そうなほどの美しさと迫力。

 今日の演奏会、ウィーン・フィルとゲルギエフの良さが見事に組み合わさったようだった。

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