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フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

『トスカ』(ウィーン、2016年4月16日)上演中の出来事について

 先週の土曜日、2016年4月16日のウィーン国立歌劇場でのゲオルギューとカウフマン出演の『トスカ』上演中の出来事について。

 かなり話題になっている。このブログにも「トスカ ゲオルギュー カウフマン ウィーン」みたいなキーワードでたどり着いているらしい人が結構いる。(でも私が書いた記事は2月に観たゲオルギューとホルヘ・デ・レオン出演の『トスカ』についてなので当てが外れちゃってると思いますけど)。だからってわけでもないが、私もこの上演はラジオでの生中継で聴いていたしこの件について少し書こうと思った。カウフマンが舞台上で喋った言葉も紹介したい。

【話題になっている出来事】
 第3幕、カウフマンが「星は光りぬ("E lucevan le stelle")」を歌った後拍手が鳴りやまず(約6分ほど続いた)、もう一度このアリアを歌う。その後音楽は進むが登場するはずのゲオルギューが現れず、カウフマンは"Ah, non abbiamo il soprano"(「あぁ、ソプラノがいない」)とアドリブで歌い、観客は爆笑。オケの音は鳴っているがまだ出てこないので立ち上がって観客に話しかけお詫び。続行のサインが出ているのを確認し気を取り直して再開すると無事ゲオルギューが登場し、上演は再び進んでいった。

 部屋でラジオで聴いていたらいきなり笑い声や拍手やカウフマンが話すのが聴こえてきたから驚いた。noch ein Versuch?とか言ってたから何かが起きたことはわかったが状況がつかみきれなかった。その後なんだか異様に話題になっていていろんなところで記事になって(ちょうどLivestreamの上演日だったこともあって)その場面の動画も載っていてシェアされて。これだけ話題になったのはLivestreamの日だったということもあるだろう。


参照記事はこちら(動画あり)(探せばいろんな言語でたくさんの記事が見つかるが) 動画はアンコールの歌唱から。(アドリブで歌った"Ah, non abbiamo il soprano"は4:12-)

 この日の公演は2回公演の2回目。1週間前の公演でもカウフマンのアンコールはあった。1回目も2回目も歌唱の後に長い拍手がありかなり時間がかかった。ゲオルギューはこの日もアンコールと拍手でまだ時間がかかると思い楽屋にいたとのこと。だがこの日は指揮者が違った(ミッコ・フランクに代わりヘスス・ロペス・コボス)。この日のアンコール後は切れ目無し、拍手無しで進んでいった。そのため、登場すべきタイミングに間に合わなかったとのこと。

 以下カウフマンの言葉:

"Verzeihen Sie. ... Noch ein Versuch? Sie sehen mich sprachlos wie... wie Sie selbst. Aber ich sehe das Zeichen, wir dürfen weiter machen. Entschuldigen Sie, das wollten wir so schön in einem durch."
(「すみません。...もう一回やり直し?ご覧の通り私も、、、皆さんと同じように驚いています[言葉がありません]。でもサインが出てますね、このまま続けてよいと。すみません、ちゃんと通してやりたいと思います。」)

"non abbiamo il soprano"のところで即爆笑している観客が結構いるあたり、やはりヨーロッパかと思う。ちなみにウィーン国立歌劇場の『トスカ』は1958年のプロダクション。この日は587回目の上演。プレミエから58年間、平均年10回上演している計算になる。

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