あぁ、レドゥーテンザールだったのね―アーノンクール指揮モーツァルト序曲集の表紙を見て
その時は何とも思っていなかったこと・ものが後になって、ああそうか、となることがある。この表紙。
たまたまアーノンクール指揮によるモーツァルト序曲集のCDの表紙の写真をAmazonで見かけて、懐かしいぃと思ったと同時に、あぁこれあそこか!、と。
どこかと言えばウィーンのレドゥーテンザール(仮装舞踏ホール)。昨年ここで行われた演奏会にいってきた。「ここ」と言っても場所としてこの位置なだけで同じ建物が残っているわけではないが。Re-Sound Beethovenと称して行われたベートーヴェンの交響曲第2番と『プロメテウスの創造主』の演奏会。ホールはハプスブルクの王宮内。ウィーンの中心にある。
今日の会場であるレドゥーテンザールが位置する場所には、もともと1705年にフランチェスコ・ガッリ・ダ・ビビエーナ(Francesco Galli da Bibiena, 1659-1739)によってバロック様式で建てられた宮廷劇場(Hoftheater)があった。レドゥーテンザールは、マリア・テレジア(1717-1780)が王宮ホーフブルク(Hofburg)内に仮装舞踏会場(Redoutensaaltrakt)を設置するため、ジャン・ニコラ・ジャド(Jean Nicolas Jadot, 1710-1761)*1 に仮装舞踏(„Redoute“)用の大小2つの会場を持つ形に改築を委託したことで生まれた(1744-1748年)。1788年頃には大ホールの2階席部分が拡張された。演奏会に先立って行われた講演によれば、立ち見を合わせて5000人の聴衆が入ることもあったとのことである。
交響曲第2番も、初演こそアン・デア・ウィーン劇場だったが、その後ここでも演奏された。位置としての場所に着目すれば、どちらの作品もこの場所で鳴り響いたことは確かで、このプロジェクトの „resound“というコンセプトに適っていると言える。交響曲第8番 op. 93もここで初演された。その他、シューベルトの未完成交響曲もここで1865年に初演された。
ちなみにホールは1992年に焼失し、再建された。現在のホールに当時の趣はほとんどない。
大レドゥーテンザール。皇帝ヨーゼフ2世とパルマ公女イザベラの結婚式に際しての劇上演(1760)Werkstatt des Hofmalers Martin van Meytens: Serenade im Redoutensaal der Wiener Hofburg anlässlich der Hochzeit Josephs II. mit Isabella von Parma im Jahre 1760, Ölgemälde, fertiggestellt 1763 © Schloß Schönbrunn Kultur- und Betriebsges.m.b.H.
とまあそれだけ。
1000円で買ったなぁこのCD。かなりの人が持ってるのではないかと。1000円でモーツァルトのオペラの序曲がだいたい入ってどれもアーノンクール指揮の全曲録音から。こう見ると入門にも良さそうだ。『フィガロの結婚』の序曲がかなり遅いのだが、それが好きでよく聴いた。割引で887円か。中古は197円とか笑
- アーティスト: ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団,モーツァルト,アーノンクール(ニコラウス),ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス,チューリヒ歌劇場管弦楽団,チューリヒ歌劇場モーツアルト管弦楽団
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2000/06/21
- メディア: CD
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買った当時は気に留めていなかった表紙の写真。今その街にいるとはなぁ。