フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

ベルリン・フィル ラトル 内田光子 2010年2月13日 ベルリン・フィルハーモニー

2010年2月13日(土)PHILHARMONIE 19 Uhr Berliner Philharmoniker

Sir Simon Rattle Dirigent

Mitsuko Uchida Klavier

György Kurtag Grabstein fuer Stephan op. 15c

Jean Sibelius Symphonie Nr. 4 a-Moll op. 63

Ludwig van Beethoven Klavierkonzert Nr. 5 Es-Dur op. 73

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 初めてサイモン・ラトルを見た。内田光子も。そしてベルリン・フィルという今世界で考えうる最高の組み合わせの一つだ。シベリウスが始まる前になぜかコンマスが出てこない。するとラトルがマイクを持って登場。少し落ち着かない様子でコンマスの席を指しながらドイツ語で「燕尾服ある方が良い無い方が良い?あと3分かかります。」と言って、3分後にコンマス登場。チューニングはすでに裏の人がやっていた。ので自分だけオーボエとちょっと確認して指揮者も登場。

 今日思ったのは、オーケストラとしてはウィーン・フィルのほうが上手いなということだった。というのは、ベルリン・フィルも上手いけど、一人一人の技術が上がっていったら(ただし相当のレベルで)、ほかのオケでもベルリン・フィルにはなれるかもしれない。でもウィーン・フィルにはなれない。といってもベルリン・フィルが超一流、素晴らしいのは間違いない。アルブレヒト・マイアー、パユ、フックス、ヴェルツェル上手すぎ。今日は樫本大進はいなかった。最初の曲の時コンバス奏者の一人が自分の3列後ろくらいの席で聴いてた。突然歩いてきて空いてる席を見つけて座っていた。

 協奏曲、素晴らしいな。迫力と勢いと繊細さも。演奏の完成度自体は低かったように思うけど。けっこう単純に合ってないことが多かった。協奏曲はどのレベルになっても難しいんだなと感じた。奏者の個性が強くなっていくだけに。内田は曲を本当に弾いてたと思う。ベルリン・フィルの演奏をも自分の方に引き込んでいた。もちろん打ち合わせてる部分はあるだろうけど、それ以外も多くあったなあれは。最後は会場全体拍手拍手拍手。結構みんな立ちあがって、すごかった。オケが退場してもまだ拍手して内田光子をもう一度呼び戻していた。本当に認められているピアニストだとわかっていたが実感した。

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