フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

引用について

 転載はいけませんが、「引用」の範囲内であれば引用元を明示することで本ブログの文章・画像を引用することができます。これは本ブログに限らない一般的なルールです。ここでは引用の際に注意すべきことについて確認したいと思います。

【記事の内容】


転載と引用

 「無断転載」を引用もしてはいけないかのように思っている人がいますが「転載」と「引用」の違いに注意。ざっくり言って、引用は自分が書いている文章に関わりがある範囲において一部を載せること、転載は関係の有無に関わらずまるまる全部載せること。もし転載したいなら許可とってくださいね、というのが「無断転載禁止」の言わんとするところですが、転載とはCDをまるまるyoutube上に挙げるようなものだと考えてみれば、「転載禁止」はわざわざ書くまでもない当然のこと(「転載自由」ならわざわざ書く意味があるが)。当事者間で合意しているのであれば転載すればよい。

 引用は許可も連絡も不要。「無断引用」という言い方はおかしいので気を付けてください(「引用は適法な無断利用の一態様のことなので「無断引用」という言葉はあり得ない 」(北村行夫/雪丸真吾編『Q&A 引用・転載の実務と著作権法』2005年、5頁))。つまり、引用の仕方が一般に認められる「引用」の範囲内であるかどうかと、引用元(出典)を明示しているかが問題になります。無断かどうかの問題ではありません。*1
———-
*1
「引用は権利者に無断で行われるもので、法(日本では著作権法第32条)で認められた合法な行為であり、権利者は引用を拒否することはできない。権利者が拒否できるのは、著作権法の引用の要件を満たさない違法な無断転載等に限られる。」「引用」(ウィキペディア)

「一定の条件を満たした「引用」は、権利者に無許可で行うことができる(32条)。これは著作権侵害にならない。」(同上。どちらも2016年4月17日閲覧)


引用する際の注意

1.引用元を示す

 引用する際に、それが引用であることを明示せずに引用元(出典)を明示しないと「剽窃」になります。

 出典を示す形式には色々あり分野ごとにも細かい違いがありますが、引用元を示すことの根本は「読み手が引用元を突き止められるようにすること」です。この意識があれば一般的な形式が当てはまりにくい場合でも柔軟に対応することができます。一般的には最低限著者、著書名を示し、なるべく頁も示しましょう(頁を示してない引用を見ると、こいつ自分ではちゃんと読んでないな、って思います。あと出版社、出版年もあると丁寧)。ブログなどの場合URLを示すと読者に対しても被引用者に対しても丁寧。画像は©のあとに著作権者を示しましょう。

本:著者『著書』****年、**頁
ブログ:ブログ名 / URL(あるいは両方)*2
画像:© 作者*3 / © 作者

———-
*2 「読み手が引用元を突き止められるようにすること」を考慮する。例えば同名のブログが他にありそうなブログ名だった場合は著者名も入れるとか。その点でも、URLを入れると間違いなく読者が引用元にたどり着くことができる。
*3 「©」で©になる。

2.改変してはならない

 こちらもとても重要です。改変したら私が書いたものではなくなるので。そんな言い方してないんですけど、みたいな(こうしたことを意識するだけで例えば新聞やテレビは相当都合のいいとこを切り取ってるな、と感じると思います。)。だから逆に言うと、元の文に忠実に引用しなければなりません。誤字・脱字も含めてです!それが引用です。引用者であるあなたが引用文の中に言葉を補いたいときは[]の括弧を使います。これは「引用者の言葉ではなく私の補足ですよ」ということを示しています(欧文でも同じ)。

例:「引用は[そもそも]権利者に無断で行われるもので[...]権利者は引用を拒否することはできない」(同上)


Q&A

Q. ネット上で良い画像を見つけました。でも作者がわかりません。どうすればいいですか。

A. 使わない。示してあるものを使いましょう。道端で誰のかわからない写真を拾いました。使いますか?


記事の信頼性向上、ブログの信用度向上にもつながる

 上記のことを意識して実践するのは面倒に感じるかもしれませんが、自分で引用元を確認し、細かいことにも注意を払うようになります。その結果として記事の信頼性が上がり、ブログの信用度が上がることにもなるでしょう。引用元(出典)を示すことは、情報をしっかり扱おうという引用者の姿勢をも示し、かつその引用元等の情報自体が読者にとって有益な情報だからです。出典を示さないと、本当にその人(被引用者=引用される側)がそう言っているのかどうかを読者は確かめられません。ときに悲惨な(?)事態が起きることがあります。それについてはまた別の機会に書きたいと思います。

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