フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

オッフェンバック 『ホフマン物語』 2010年6月13日 コーミッシェ・オーパー

2010年6月13日(日)Hoffmans Erzählungen

Komische Oper

ドイツ語上演、ドイツ語字幕

Alkor Edition Kassel(かなり違って聴こえた。単純に違うところも多かった)

1階右1列11番

 客席はがらがら。今日はワールドカップでのドイツ初戦、対オーストラリア戦。今回のベルリン滞在中最後のオペラか。ちょうど大好きなオペラで締め括れたな。7月もまだいくつかあるみたい。行こうかな、ヘンデルあたり。今日最初にショックだったこと、配役になぜかカレン・レッティングハウスが入ってなかったこと。頼むよ。今思うと多分アントニア役だったのだろう・・・。なんて大きな違い。

 ドイツ語上演、良いところは良いな。ちょっと変なところもあったけど。無理なところも、ドイツ語への歌詞の変更に伴い音付け加えてるところ。クラインザックのアリアの中間部に入る直前のところ。でもこのアリア全体的に翻訳良かったな。Flick-flack, das war, das war Kleinzack。開始に先立って人が出てきて、「みなさんこんばんは。こうやって出てくるときはいつも決して良いことではありません」って『ラ・ペリコル』のせりふにかけて始めるから笑った。うけるな。知ってる人じゃないと笑えないけど。それで、オランピア役風邪のため代役吉川ひなこ。聞いたことない。急な代役のため彼女だけはドイツ語の歌詞ではなくフランス語で歌いますと。

 版が違うせいか自分が今まで聴き慣れてきたのとはかなり違って聴こえた。違う部分が多かった。2幕(オランピア)への間奏曲無いの?あれ好きなのに、とか。5幕クラインザックのアリアの前の弦の怪しげな部分とか。

 演出自体はまぁ良いと思った。舞台もきれいな感じで。舞台の基本の形は全幕で共通。舞台も演出も新国の方が好きだな。アントニアの残念だったこと。太りすぎ。出てきた瞬間、「ぁ、無理、これじゃ絶対感動できない…」。他はみんなきれいなのに、ミューズも。この演出だとミューズがホフマンのことを単純に好きっていうことになっているような。オランピアの幕はどうやってもたいていは面白いよな。面白かった。特にバナナ出してきたところ(笑)性的にっていうかそれは前提にありながらそれを一歩越えてなんで持ってんだよっていう。そのあと子犬の人形も出すという。

 オケはなんだったんだ今日。下手すぎた。指揮者のせいだよなあれは。合唱とも全然合わないし。オケだけでも全然統一されてないし。こんなに良い音楽なんだからもっとオケも聴かせてほしかった。

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