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フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

東京フィルハーモニー 第71回オペラシティ定期 中村紘子 渡邊一正指揮 2012年7月19日

演奏会

東京フィルハーモニー交響楽団 第71回オペラシティ定期シリーズ

ピアノ 中村紘子

指揮 渡邊一正

S席 1階14列17番

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 前日に知り合いの団員の方から、たまたま1枚チケットが余っているが行けるか、とのメールをもらった(ていた)。気付かなかったので翌日(当日)の昼に、遅くなりましたがまだ残っていればぜひ行きますと返信したところOK。開場時刻頃に入り口で直接受け取りいざ久々のオペラシティへ。純粋に演奏会というのも久しぶりだ。受け取ったチケットを見てみると「御招待券 渡邊一正様」となっている。今日の演奏会の指揮者は元はクリスチャン・バスケスという人だったらしいが、近親者重篤のため来日キャンセルで渡邊一正が引き継いだということ。おそらくそれで不要になった招待状であろう。それを運よく私が頂いたようだ。別人もいいところだが何食わぬ顔をして受付でチケットと引き換える。対応した若い人が、「ではこちらで」、とぱっと1枚取り出し私に渡そうとしたところ隣のベテラン風の人にこそっと、「真ん中から」と言われもう一度チェックしなおしてくれて、(たまたま当日もらったものなので)どこでもいいですよ、と言うか言わぬかおそらく一番真ん中寄りであろうチケットをくれた。席種はさすが、S席(7500円)。非常に良い気分でホール内へ。

 曲目は以下の通り↓

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(プログラム)

 ピアニストの中村紘子はなんだかんだで聴くの見るのは今日が初めて。一応聴いとくか、と思ったこともあったが別段聴きたいわけでもなかった。その意味で今日は良い機会だった。たまたま聴くことができて。あーだこーだ言うにも1回くらいはちゃんと聴かないと、というのもあるので。勢い(だけ)はあるがバラバラ。パーツが全部バラバラ。音もキンキン。比べるまでもないが内田光子とは雲泥の差。いつも思うが、ソロピアニストは過酷だ。上手いか下手か、才能があるのかないのか、一聴瞭然。まあ第一線で活躍する人にはどの分野でも共通のことだが。それにしても人気と実力の乖離しているのを見るときはいつも不思議だ。有名だから凄いのだろうと思って聴くと良く聴こえるのだろう。

 ベートーヴェンの7番が始まると、オケの音がしっくりきた。響きがしっかりした。やはりベートーヴェンともなれば各オーケストラごとこれまで経験してきた、築いてきた演奏史の上に立って、響きもそれに応じてしっかりしてくるんだな、などと勝手に合点しながら導入部を聴く。少なくとも前半2曲よりは明らかに地に足のついた演奏だった。提示部は全て繰り返さなかった。聴く前は、どうせ全部馬鹿正直に繰り返すんだろうなとか思っていたが繰り返さなかった。うん、それはそれでよい。正直この1楽章繰り返されると少し面倒くさい、などと言ってはベートーヴェンに失礼だが、ちょっと長く感じる。この4楽章提示部は繰り返しても良いかな、というか2回聴きたいなとも思う。聴いている間、どれは繰り返してほしいもしくは繰り返さないでほしいか一人で考えていた。モーツァルト40番1楽章は何が何でも繰り返してくれ、プラハは結構、再現部などもってのほか、など。ま、演奏が良ければ何をやってくれても構わない。

 オペラシティで聴いたのはいつ以来かと気になって記録(演奏会・オペラ・バレエ・演劇の鑑賞記録を付けている→私の鑑賞履歴表へ)を調べてみた。すると、08年5月8日以来実に4年ぶりになる、ようだ。そんなに前かぁ。ちなみにその時も東フィル。曲目はそのとき日本初演だったらしいS. マッケイとかいう人のターン・ザ・キーとかいう曲(完全忘却)とラプソディ・イン・ブルーとベートーヴェンの7番(笑)メイン今日とかぶってるし。それに加え、今日は上述のようにたまたま余った招待券もらって行ったのだが、4年前のプログラム冊子確認してみると招待券と書かれたチケットが。なんだこの奇跡的な一致は。

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(上 今日、下 4年前)

 最後に今日面白かったこと。ベートーヴェン7番4楽章の最後の最後、盛り上がるコーダで演奏者も聴衆も高揚する場面、指揮者も高揚したか(し過ぎたか)渡邊一正が指揮棒をチェロの方にぶん投げるw(正確には飛んでっちゃった)最後は失笑漏れる中、棒なしで(ばつ悪そうに)締めくくり拍手喝采のうちに終わる。

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