フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

フェルメールからのラブレター展 Bunkamura ザ・ミュージアム

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 今日の午前中に行ってきた。時間を気にせずとりあえず向かい9時40分に到着したときにはBunkamuraの建物の入り口ですでに6人ほど並んでいた。午前中にしてもう並んでいるのか、そんなはずはないと一瞬焦るも開館が10時でそれを待っているだけだった。10時を目前にして振り返ってみると列はかなり長くなっていた。少し早目に来てよかったようだ。

 今回の美術展にはフェルメール(1632-1675)の作品は3点(『手紙を書く女』(1665年頃)、『手紙を読む青衣の女』(1663-64年頃)、『手紙を書く女と召使』(1670年頃))が展示してある。作品数の少ないフェルメールだから一つの比較的小さな企画展に3点あるのは多い方だ。「フェルメールと同時代展」などと銘打っていてもフェルメールは途中に1点だけというのも少なくない。そういった企画展ではもはや観る側もどうせ宣伝している作品の1点のみであることは承知の上で行っているとは思うが。

 全体の展示数は43点。オランダの絵画によくありそうな作風のものが始めから最後まで並んでいる。フェルメールと他の少し気になる作品をやや集中的に見てあとは流すと、1時間かからずに出口に辿りつく。時間があればもっとゆっくり観ていたいが図録だけ買い会場を後にした。

 『手紙を書く女』はワシントン・ナショナル・ギャラリーから、『手紙を書く女と召使』はアイルランド・ナショナル・ギャラリーから、はアムステルダム国立美術館から借りてきているようである。他にもいくつかアムステルダム国立美術館から来ていたから、覚えていないだけで向こうで観たんだろうなあなどと思いながら初めて観るように観ていた。さすがにフェルメールは見覚えがあった。アムステルダム国立美術館で買った図録でもさっき確認した。

 『手紙を書く女と召使』には観た瞬間にはっとする光の美しさがあり気に入った。下に載せた『手紙を読む青衣の女』は質素で地味な印象だが女性の手紙を読む姿勢から彼女の心情がにじみ出てくるような味わいがあるように思う。

 今年6月には「ベルリン国立美術館展」(国立西洋美術館)と「マウリッツハイス美術館展」(東京都美術館)が開催されその両方にフェルメール作品が展示される。

 

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(図録表紙:ヨハネス・フェルメール、手紙を読む青衣の女、1663-64年頃)

 図録は2500円する。高い。ただ、『手紙を読む青衣の女』は2010-2011年に修復作業が施されたようで、その点について展示室にも簡単な解説が出ていたが、図録にはアムステルダム国立美術館修復家による写真付きの解説が載っている。作品一つ一つに付随する解説もよくある図録の中では充実しているとは思う。

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