フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

バレエ 『With/out tutu 』 ベルリン国立バレエ団 2010年3月17日 ベルリン国立歌劇場

2010年3月17日(水)With/out tutu

Staatsballett Berlin

Dir. Vello Pähn

Franz Schubert 9. Sinfonie C-Dur „Die Große“, Allegro vivace

Felix Mendelssohn Bartholdy und Fanny Hensel-Mendelssohn

Max Bruch Konzert für Violine Nr. 1 G-Dur op. 26

座席 3階中間左2列2番

今日は好きな曲に振付したものの寄せ集め。思いのほか良かった。特に最初の作品が。振付がとても美しかった。それ自体もきれいだったし、曲にもとても合っていた。でも今日来る前はシューベルトでも他のもうちょっと小さい曲だと思ってた。久しぶりに胸がわくわくときめいた上演だった。Shoko Nakamuraはとても良かった。美しく踊っていた。本当に振付が美しかった。こうしてほしかった、そうまさにそのように、そうあるべき、という振付。この振付が音楽をさらに高く美しくしてその音楽がこの振付をさらに魅力的にする。曲の繰り返しはなし。

 メンデルスゾーンの音楽による作品はやや長く感じてすこし退屈になってしまった。悪くはなかったはずだがおそらく最初が良すぎたのだろう。それにしてもメンデルスゾーンは一線を越えない。どんなになってもある一定の枠のうちにきれいに収まる、収まる範囲でしか暴れない。おそらく彼の『エリア』は彼の作品中もっとも突っ込んで書かれたものの一つだろう。あれだけ才能がありながらもったいない気もする。もうちょっと長生きして化けて大作を残してほしかったという思いがすこしある。『エリア』は大作だけれども、そこでもなにかはじけきらないもどかしさが少しある。余計にもどかしいのはそれが仕方ないと思えず、メンデルスゾーン!お前ならもっと書けるはずだろ、と思ってしまうことである。

 ブルッフのはソリストが期待外れだった。Staatskapelleのコンサートマスターだったけどあまり上手くない。一人で弾いてみろっていったら多分日本のオケのコンマスの方が上手いだろう。でもオーケストラパートの響きの良いこと。作品としては十分に楽しみました。ソロパートも単に同等の一つのパートとして聴いて。でも不安はあの若いティンパニストだな。これからどう上手くなるのか。あの人との間の差がありすぎるな(名前がわかりません)。良い響きだなぁ。特に2楽章なんか響きの中に沈み込んでいきそうな。厚みもあって透明感もあるという。全体的に良い公演だった。こういう無名の公演でたまにこうやって良い時がある。2.5ユーロって…。安すぎるだろ。でどうせがらがらだからその場でもっと良い席に座るし。あと、せっかく良いバレエ団なんだからたまにDeutscheoperでやるのはやめてくれ。

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