フィルハルモニ記

ドイツ文化・思想の人がオペラ・コンサートなどの感想を中心に書いているブログ

モーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』 ウィーン国立歌劇場 2016年2月12日

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COSÌ FAN TUTTE
Wolfgang Amadeus Mozart

Tomáš Netopil | Dirigent
Roberto de Simone | Regie
Mauro Carosi | Bühne
Odette Nicoletti | Kostüme

Caroline Wenborne | Fiordiligi
Annalisa Stroppa | Dorabella
Markus Eiche | Guglielmo
Benjamin Bruns | Ferrando
Elena Maximova | Despina
Wolfgang Bankl | Don Alfonso


座席 立ち見Galerieやや左/中央

 3日前に観たドヴォルザーク『ルサルカ』と比べるとどっかの地方劇場かっていう配役でぱっとしないし、演出も古そうで行くかどうか考えたが、好きなオペラをうるさいこと言わずに気楽に楽しもうということで観てきた。

 指揮者は『ルサルカ』の時と同じネトピル。シドニー出身のソプラノ、キャロライン・ウェンボーンは昨年6月にフォルクスオーパーでの『コジ・ファン・トゥッテ』でも聴いた(あそこはドイツ語上演だが)。
 今日観た演出は舞台が何十年前の演出ですか?って感じだが、今日で52回目の上演。ん、そこまで古くないのか?と思ってプログラム冊子を見るとプレミエは2003年。

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© Wiener Staatsoper

 まじか、2003年でこれ新制作として持ってきたのか...。『コジ』はフォルクスオーパーの方がはるかに面白い(演出:Bruno Klimek)。ちなみに、この前アンジェラ・ゲオルギューを聴いた『トスカ』は1993年プレミエの演出で、上演584回目だった。すご)。

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© Wiener Staatsoper

 ここまで時代逆行してると逆にレアである。ただ(その分?)歌手陣が良くないとですね、今日みたいなことになりますので...。新国で10年前の旧演出(レプシュレーガー)でのリカルダ・メルベートとエレナ・ツィトコーワ、3年前の新演出(ミキエレット)でのミア・パーション、ジェニファー・ホロウェイの方がはるかに良かったなぁ。

 今日は歌手陣がちょっとねぇ...。特にドラベッラ役のメゾソプラノがひどかった。フィオルディリージとドラベッラの最初の2重唱から音程を外しながら恥ずかしげもなく派手なヴィブラートで決めてきたので、冒頭から先が思いやられた。

 合唱もひどいひどい。新国立劇場の合唱団の優秀さはよく言及されるが、今日の合唱など比較の対象ですらない。

 オケはけっこう良く演奏してくれました。力抜いてあれだからなあ、自分たちの音楽って感じだねぇ。

 と、結局いろいろ言うのであった。

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© Wiener Staatsoper

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